もはや昔々の話ですが、2019年1月31日をもって新潟県三条市が高還元率・地場産品以外の返礼品から撤退しました。新潟県三条市は、総務省が「地場産品ではない」と整理する可能性のあるアウトドア用品と家電(電化製品)を中心に、還元率50%を超えるような返礼品を用意していた自治体です。
ということで、2019年6月に改正地方税法が施行されたことにより、ついに「高還元率」なのは三条市と同じ新潟県で10kmも離れていない隣の燕市(つばめし)を残すのみになりました。改正地方税法で泉佐野市など4つの自治体が排除されましたが、なぜか燕市は生き残っています。
他にも「家電(電化製品)」を返礼品にしている自治体はありますが、残念ながら「高還元率」は存在しません。記事中にある還元率の計算では全て3割未満です。
そこで今回は、なぜか改正地方税法の規制をすり抜けている新潟県燕市の返礼品について、返礼品になっている家電(電化製品)の還元率を調べたので結果をまとめてみました。
ちなみに、燕市の家電は「ふるなび」の独占案件です(もちろん「ふるなび」なので、返礼品以外に寄附金額の1%分をAmazonギフト券コードでもらえます)。
新潟県燕市の返礼品(家電)の還元率まとめ
ここでは返礼品・寄附金額・還元率を一覧にしていますが、還元率はAmazon.comの最安値から算出しています。Amazonの最安値と比較する相当シビアに見た還元率ということになるので、商品の定価を使うと+10%~40%程度は平均して還元率が上がります(Amazonの値引き率だけ上がるイメージです)。
この中の人気ランキングも最後に載せているので、ぜひ参考にしてください。
※スマートフォンでは見づらいですが横スクロールできます
還元率を見るうえでシビアになるAmazon価格と比較しても、多くの返礼品が高還元率なのが一見して分かりますね。量販店などの小売価格や定価にすると、還元率はさらに跳ね上がります。
上の表で還元率50%超となっていても、仕入価格を使う総務省の計算では「還元率30%以内」と判断されている可能性もありますね。安く仕入れていればルール違反ではないかも、という話です。
燕市の返礼品にある家電製品について
燕市が返礼品にしている家電ですが、日本のメーカーであるツインバード工業株式会社がTWINBIRD(ツインバード)のブランドで出している製品です。
一昔前は単に廉価な白物家電のイメージでしたが、今のTWINBIRDはスタイリッシュで高機能・高性能ながら低価格な家電メーカーに様変わりしています。
ちなみに、ツインバード工業は燕市の隣にある三条市で創業した日本の会社です。奇しくも創業地である三条市は、冒頭に書いたとおり2019年1月末で高還元率の返礼品を全て取り下げました。しかし、なぜか今も三条市の隣町でしかない燕市だけが残っています。
電化製品カテゴリの人気ランキング(2020年12月4日現在)
例年、年初からふるさと納税をしている人は一定のリテラシーがある(知識があって慣れている)人で、寄付先の人気ランキングを見ても「よく研究している」と思わされます。その意味で、人気ランキングは自分で調べるのが面倒な人には最高に役立つ情報源です。
2019年に限って言えば、基本的には「消える可能性がある返礼品」に人気が集中していたようです。要するに、「高還元率」と「地場産品ではない」の両方または一つに該当する返礼品です。
実際、人気ランキングに入っている燕市の返礼品を見ても、軒並み高還元率(40%~60%)がズラッと並んでいる状況です。他の自治体の返礼品は普通に還元率30%以内に抑えた商品なので、その自治体の地場産品であれば急いで寄附する必要はないでしょう(品切れ以外は消える可能性ありません)。
人気ランキングはよく研究している納税者の寄付先ということで常に参考になるため、寄付先を選ぶための参考情報として積極的に活用することをオススメします。
以下は新潟県燕市の人気家電ランキングで、ランクインしている他の自治体と違って「高還元率」です。もし「地場産品」として生き残れても、いつ還元率が30%以内になってもおかしくありません。
1位 防水ヘッドケア機 セレブリフト
寄付金:40,000円(還元率38%)
ちなみに、この商品はAmazon価格が15,235円なので還元率38%としていますが、メーカー小売希望価格は32,400円です。寄附金額40,000円なので、定価から還元率を計算すると還元率81%になります。
2位 ミラーガラスオーブントースター
寄付金:20,000円(還元率58%)
このシリーズのオーブントースターと電子レンジは、昔のTWINBIRD製品しか知らない人には驚きでしょう。BALMUDA(バルミューダ)にありそうな外観ですね。
3位 全自動コーヒーメーカー(3カップ)
寄付金:70,000円(還元率55%)
この商品は高い還元率もポイントですが、そもそもTWINBIRDの製品の中で評価が高い商品ですね。
購入を考えていた人にとっては渡りに船のような返礼品でしょう。実際、7万円という比較的高い寄附金ですが、圧倒的に口コミ評価が多く、非常に評価も高いことが分かります。
2019年10月からは6カップ(6杯)の抽出ができる最新機種(2019年11月発売)もラインナップに加わっています。
寄付金:120,000円(還元率:37%)
3カップの全自動コーヒーメーカーは「ふるなび」の定番人気返礼品だったので、新機種の6カップも人気を集めることは間違いないでしょう。
4位 ワイパースティック型クリーナー
寄付金:20,000円(還元率60%)
これは拭き掃除もできるサイクロン掃除機ということのようです(よく知りません)。口コミ評価が高いようですね。
5位 チョッパー付ハンディーブレンダー
寄付金:20,000円(還元率40%)
このハンディーブレンダーは、3位の全自動コーヒーメーカーと並んで人気ランキングの常連です。
ただ、還元率を見ると高還元率(40%)ではありますが、それほど飛び抜けて高いわけではありません。これも「還元率」よりも、購入を考えていた人の「実需」なのでしょう。口コミの評価も非常に高いですね。
これらは「ふるなび」の独占案件のため、メルマガ登録で返礼品以外に寄附金の1%分のAmazonギフト券コードを「ふるなび」からもらうことができます。
単純に還元率が+1%されるのと同じ効果のため、そちらも忘れずに受け取るようにしてください。寄付の翌々月から受け取ることができるようになります(メールで連絡があります)。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。2019年6月に施行された改正地方税法により、実質30%超の「高還元率」は非常に希少な存在となってしまいました。夏頃にチャレンジングな返礼品を出しても数日で消えるなど、納税者に旨みのある返礼品や企画は徹底的に排除される傾向も相変わらずです。
良いと思ったものを見つけたら、その返礼品がリストから消えてしまう前に早めに行動するようにしてください。