筋トレ

筋トレ初心者の自宅トレーニングには可変式ダンベルの一択です

可変式ダンベル(アジャスタブルダンベル)の画像

 

ジムに行く必要なく色々な部位を鍛えることができるので、手軽に用意できるダンベルは時間に余裕のない人の強い味方ですね。

正直、自重(自分の体重)で鍛えられるトレーニングと合わせれば、長らく運動から離れていたような筋トレ初心者ならジムに行く必要ないくらい十分に鍛えられます。あとは継続するモチベーションのコントロールだけでしょう。

同じ期間でも、トレーニング初心者ほど筋肉が増加する量は多いので、最初は自宅トレーニング(宅トレ)だけでも十分に効果を感じることができます。

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ということで、今回は自宅でダンベルを使ったトレーニングを行なうにあたり、私の失敗例を踏まえてどのようなダンベルを選ぶべきかをご紹介したいと思います。

結論としては、どのような形であれ、重さを変えられる可変式ダンベル(アジャスタブルダンベル、Adjustable Dumbbell)を必ず選んでください。一択です。

ダンベルの種類とメリット・デメリット

まず、一言で「ダンベル」と言っても、いくつか種類があり、それぞれメリット・デメリットが存在します。そのため、まずは基礎知識としてダンベルの種類を確認しておきましょう。

  1. ケトルベル(Kettlebell)
  2. 固定式ダンベル(Fixed-weight Dumbbells)
  3. プレート着脱式ダンベル(Adjustable Dumbbells)
  4. アジャスタブルダンベル("Selectorized" Dumbbells)

上記のようなダンベルのタイプ以外にも、それぞれに素材や形態・形状などで色々とバリエーションがあります。

ただ、今回はホームユースを前提にしているので、フィットネスジムに置いているような器具は除いています。ボディービルダーの方がYouTubeの解説動画などで使っているような有名メーカーのダンベルは出てこないかも知れません(例えば、Powerblock社が出している四角い箱に手を突っ込むようなダンベルなど)。

それでは一つ一つ見ていきましょう。

ケトルベル(Kettlebell)

これは「ダンベルに分類しない」と言う人もいるでしょうが、ケトル(やかん)の形をした特殊な形のダンベルです。砲丸に取っ手が付いたような特徴のある形状ですね。

ちなみに、ダンベルの綴りは Dumbbell で、音の出ない鐘(Dumb(音のない沈黙した)+Bell(鐘・鈴))を使っていたことが由来だそうです。

ケトルベル(Kettolebell)の画像

ケトルベルの特徴は一般的なダンベルとは異なる重心の位置で、両手でも持つことができるため、その特性を生かしたトレーニングメニューが多く存在します。

重量を増やしていくことによる筋肥大のためのトレーニングも可能ですが、ケトルベルには女性のシェイプアップを目的としたプログラムも数多く用意されています。また、ケトルベルはスポーツとして確立された競技会があるのも特徴の一つですね。

 

そんな一風変わったケトルベルのオススメできる点と注意点は以下のとおりです。

ココがおすすめ

  • 両手で1つのケトルベルを持つトレーニングなど、ダンベルとは一味違ったトレーニングができます
  • 遠心力を使ったトレーニングもあり、ダンベルよりも広く稼働領域を取れ、全身を鍛えることができます

ココに注意

  • 重心を生かしたトレーニングには広めのスペースが必要です
  • ジム・フィットネスによっては取り扱っていないところもあります
  • 負荷を高める(変える)ためには重量が違うケトルベルが必要になります

「ケトルベル命」なトレーニングをする愛好家もいるのがケトルベルですが、やはり自宅トレーニングでのネックは「重さが固定」な点でしょう。

部位によって筋力・筋量が異なるので、1つの重量で全ての部位を鍛えるのは正しいトレーニングではありません。それぞれの部位に応じた適切な重量を使わないと、部位によって負荷が低すぎる・高すぎるということになり、効率的ではなく怪我や非効率のもとになってしまいます。

前腕屈筋群(前腕)・上腕二頭筋と上腕三頭筋(上腕)・三角筋(肩)・広背筋(背中)では扱える重量が全く異なるので、それぞれの部位に合った重量にするには、少なくとも重量が2-3パターンのケトルベルが必要となります。もちろん、筋肉の成長とともに、重量を増やすためにケトルベルを買い増していかないといけません。

固定式ダンベル(Fixed-weight Dumbbells)

重量が一定の固定式ダンベルは、「THE ダンベル」と言える典型的な形状のものです。古い言い方だと鉄アレイ(鉄亜鈴)とも呼ばれますね。

固定式ダンベル(Fixed-weight Dumbells)の画像

重りの部分がクロム(Chromium)や鋳鉄(ちゅうてつ, Cast Iron)のまま未加工なものや、重りやダンベル全体がウレタンやゴム(ラバー, Rubber)で覆われているものがあります。

多くの説明は不要な固定式ダンベルですが、オススメできる点と注意点は以下のとおりです。

ココがおすすめ

  • 他のタイプに比べて1つ1つは安価です
  • シャフトと重りが一体で、付属品が何もないため省スペースです
  • 使うダンベルを変えるだけで、重量を変えてトレーニングできます(プレートなどの着脱不要)

ココに注意

  • 負荷を高める(変える)ためには、重量が異なるダンベルが複数必要です

これもケトルベルと同じ点がネックで、筋肉の成長に合わせて、より重い重量のダンベルを買い増していく必要があります。

ジムにあるダンベルラック

初心者であれば、自宅に1.5kgきざみくらいで3kg~10kgのダンベル(6本)を用意できれば万全でしょうが、それほど沢山の固定式ダンベルを自宅で保有している人は見たことがありません(いないことはないでしょう)。そもそもですが、初心者の急速な筋肉の成長を考えると、最初に使う重量は1ヶ月も使えないはずです。

さらに、ダンベルシュラッグで僧帽筋、ダンベルデッドリフトで脊柱起立筋のような部位を鍛える場合、腕や肩で扱う重量とは段違いの重さを最初から用意する必要がでてくるでしょう。それだけトレーニングのために揃える必要がある本数が多くなるということです。

プレート着脱式ダンベル(Adjustable Dumbbells)

3つ目のプレート着脱式ダンベルは、もっともオーソドックスな可変ダンベルです。

持ち手となるバー(シャフト)の両サイドにプレートを固定して、全体の重さを自由に変えられるのが特徴です。シャフトにも1~3kg程度の重さがあるので、それを加味して全てのプレートを付けるとダンベル1つが最大10kgというのが市販されているボリュームゾーンだと思います。

プレート着脱式ダンベル(Adjustable Dumbbells)の画像

 

使い方は見たままのプレート着脱式ダンベルですが、オススメできる点と注意点は以下のとおりです。

ココがおすすめ

  • プレートを変えることで、鍛える部位に最適な重量に変えられます
  • プレートを全てつけた状態にしておけば、保管も省スペースです

ココに注意

  • 固定式ダンベルに比べると値段が上がります
  • プレートの着脱する手間・時間がかかります

2つセットのダンベルを買った場合、全てのプレートを1つに寄せることで、10kg x 2個のダンベルでも最大18kg程度の重量にすることができます。また、左右の重さを変えることで、細かく全体の重さを調整もできます。

広背筋(大円筋)を狙うワンハンドダンベルローイングなどは片側ずつ鍛えるので、1つのダンベルにプレートを寄せれば、かなりの重量まで対応することができます。

一方、部位ごとに重さを変えられるメリットの反面、肩・背中・腕では扱える重量が全く異なるため、鍛える部位に応じてプレートを着脱するのが純粋に手間だと感じるでしょう。時間もかかります。トレーニングを長く続けるほど、プレートを止めるカラーをクルクルと回すとき、「この時間は一体何なんだろう」と思うはずです。

アジャスタブルダンベル("Selectorized" Dumbbells)

最後は最もオススメなアジャスタブルダンベルです。英語ではプレート着脱式ダンベルもアジャスタブルダンベル(Adjustable Dumbbell)と表記されますが、ここでは下記の形状のダンベルを「アジャスタブルダンベル」としています。

アジャスタブルダンベル("Selectorized" Dumbbells)の画像

これまでに出てきたダンベルとは明らかに見た目が異なっていてますね。

これは左右のダイヤルで重さを指定すると、置いている台座からシャフトを持ち上げた時に、ダンベル全体がダイヤルで指定した重さになっているというものです。ダイヤルで指定した重さによって、シャフトについてくるウェイトプレートの重さや数が変わってきます。

お笑い芸人のコアラ小嵐さん(超新塾)が非常に面白く分かりやすい商品レビューをしてくれているので、イメージしづらい人はぜひYouTubeの動画を見てみてください(百聞は一見に如かずです)。動画の商品は40kgのものですが、総重量が24kg・40kgの商品がラインナップのボリュームゾーンです(それ以外はないと思われます)。

 

実際に見たことはない人も多いと思われるアジャスタブルダンベルですが、オススメできる点と注意点は以下のとおりです。

ココがおすすめ

  • ダイヤルを回すだけでダンベルの重量を変えることができます(台座へのセットは少し慣れが必要)
  • 2.5kg(5kg)~24kg(40kg)のように軽い重量から非常に重い重量まで1つのダンベルで用意できます

ココに注意

  • 他のタイプのダンベルに比べて高価です
  • 1つが非常に大きいので純粋に邪魔です
  • 最初は初心者に無縁の重さまで用意されています(非常に重い)

 

一度この便利さを知ってしまうとプレート着脱式ダンベルには戻れません。十分な重さがあるのも、長くトレーニングを続けられるポイントですね。

実際、10kgのプレート着脱式ダンベルは、初心者でも早ければ数か月で物足りなくなってしまいます。ここでジム通いに切り替えるというオプションもありますが、アジャスタブルダンベルがあれば、それ以降も自宅トレーニング(宅トレ)を十分に続けられる負荷を確保できるのが特徴です。

アジャスタブルダンベル("Selectorized" Dumbbells)の画像
アジャスタブルダンベル(可変式ダンベル)は細かく重量を調整できます

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一方、デメリットとして「スペースの問題」を挙げています。アジャスタブルダンベルは着脱式ダンベルと異なり、使わないプレートを外して別の場所にしまっておくことができません。常に台座を含めて最大重量の状態で置いておくことになるため、どうしても他のダンベルよりもスペースをとってしまいます。立てかけたりできないのも弱点で、インテリアとしてもイマイチなため、女性の部屋には全く馴染まないでしょう。布でもかけて隠してください。

選ぶなら可変式ダンベルの一択です

もし自宅にフィットネスほどのスペース(とお金)に余裕があれば、重量別の固定式ダンベルを大量に並べるのも一つですね。

ジムにあるダンベルラック

しかし、あまり現実的な話ではないので、基本的には可変式ダンベル(プレート着脱式ダンベルまたはアジャスタブルダンベル)を選ぶようにしましょう。一択です。

なぜ固定式ダンベルはオススメできないか

筋トレ初心者の場合、継続的にワークアウトをしてきた人よりも筋肉は急速に成長します(以下は Lyle McDonald Model の例です)。

トレーニング年数1年間でつく筋量
1年目 9.0 ~11.2kg(1.0kg / 月)
2年目 4.5 ~ 5.2kg(0.4kg / 月)
3年目 2.2 ~ 2.7kg(0.2kg / 月)
4年以上 0.9 ~ 1.3kg

これが意味するところは、初心者がダンベル運動をする場合、面白いようにどんどんと高い負荷をこなせるようになっていくということです。

例えば、全く鍛えていなかった三角筋側部(肩)を狙ってサイドレイズを3kgで始めたとしても、2週間後には4kgが適正になり、1か月後には5kgが適正になり、2か月後には8kgが適正になるくらいのスピード感です。当然個人差はあるにせよ、この例は20代・30代の運動未経験者でも十分に考えられる成長です(20代の場合、もっと早いかも知れません)。

そのため、重量が一定のダンベルを使う場合、早い成長スピードに合わせて買い増し買い増しを続けなければ、重量が筋肉の成長に合わなくなってしまいます。

筋肥大はより高い負荷をかけていくことで起こるため、一定の重量で続けていても筋肉を大きく成長させることはできません(漸進性過負荷の原則)。多くの回数(レップ数)をこなすのは筋持久力のためのトレーニングです。

ジムではお馴染みのラックのように、あらゆる重量のダンベルを用意できれば良いですが、自宅トレーニングで揃えるには難しいでしょう。

ジムにあるダンベルラック

ということで、上記のような理由があり、重量が一定の固定式ダンベルはオススメできません(特に、成長余地の大きいトレーニング初心者)。

 

オススメはプレート着脱式ダンベルとアジャスタブルダンベル

筋トレは2日前まで限界で上がらなかったものが、今日は上げられるようになっているという達成感の繰り返しです。

  • 同じ負荷でトレーニングを続けていても筋肥大は限界を迎えます
  • 徐々に筋肉への負荷を上げていくことで、筋力も見た目の筋量も増加(バルクアップ)していきます

これをジムのようなトレーニング器具が揃っていない自宅で実現するためには、筋力・筋量が増えていくことを前提にした準備が必になります。

そのため、固定式ダンベルのように物理的な数を増やさないと対応できないタイプよりも、プレート着脱式ダンベルもしくはアジャスタブルダンベルのような重量が可変なものを使いましょう。

アジャスタブルダンベルであれば、2個セットで21,000円(送料込)程度です。1万円台の商品はセットではなく単品の可能性があるので注意してください。

それほどメーカーを気にする必要はなく、アジャスタブルダンベルの中では安価なFIELDOOR製・RIORES製のもので問題なく使えます(私はFIELDOORの24kgとRIORESの40kgを持っています)。

 

もう一つのプレート着脱式ダンベルを選ぶ場合は、商品選択の際に説明文を注意して読んでください。

  • プレートがラバー(ゴム)かウレタンで覆われているものが推奨です(床を傷つけないため)
  • プレートの穴が直径2.8cm(28mm)のものにしましょう(公式競技用の標準規格のため、プレートだけの買い足しが容易にできます)

10kgのプレート着脱式ダンベルを選ぶと、同時に2つのダンベルを使う僧帽筋・三角筋後部・広背筋(大円筋)のトレーニングを続けた場合、3ヶ月~半年で上限の10kgずつを上げられるようになってしまいます。これら3つの部位は最初から比較的大きな重量を上げられることが理由です。

ただし、それを見越して最初から10kg超のプレート着脱式ダンベルを選ぶのは危険です。今度は1つ1つのプレートの重量が重くなり、重量の微調整が難しくなるため、初心者が扱うにはあまりオススメできません。

そのため、やはり最初からアジャスタブルダンベルを選ぶのが、長期的に見て効率的なトレーニングにもコストパフォーマンスも良いと思います。私はプレート着脱式ダンベルを最初に選んで後悔した側の人間です。

また、ダンベルを購入したら一緒にトレーニングベンチも用意することを検討してください。トレーニングの幅や効果を高めるマストアイテムと言っても過言ではありません。

トレーニングベンチを使ったダンベル運動
必須です!ダンベルはトレーニングベンチとセットで使いましょう

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ダンベルに限らず、特定のワークアウトで効率的に鍛えられる部位は一部分のみです。全身を鍛えるのであれば、種目を増やしてダンベル以外のトレーニングも忘れずに行いましょう。

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そして、トレーニングの後には破壊された筋線維を修復するためにホエイプロテインを忘れずに摂取してください。寝ているときも筋肉の分解(異化)は進むので、カゼインプロテインを飲むことも推奨されています。

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