画面に表示されている単純な文字列やスペース以外にも、「改行」も検索したり文字列などに置き換えることができます。
頻繁に必要になるわけではないと思いますが、「できる」ということを知っていると便利な機能です。これを知っているのと知らないのでは、相当な作業効率の違いが生まれるシーンもあるでしょう。
今回、私が実際に使っているテキストエディタや Excel を中心に、それぞれのアプリケーションで「改行(改行コード)」を検索する方法をまとめてみました。
この記事はWindowsをOSとして使うことを前提としています。
そもそもの「改行とは何か」についても簡単に説明したので、この"文字コード"という考え方を知っておくと他のソフトウェアに応用できるかも知れません。
「改行」を検索する方法
実際に改行を検索する方法ですが、テキストエディタとExcelではやり方が異なります。
テキストエディタで「改行」を検索する方法
テキストエディタで改行を検索する場合、下記の文字列を検索対象の文字列として指定します。
ソフト名 | 検索する文字列 |
NotePad++ | \n\r |
TeraPad | \n |
秀丸 | \n |
サクラエディタ | \n |
メモ帳 | 不可 |
確実に改行が存在するにも関わらず、この方法で見つからない場合は下記を確認してください。
- 日本語フォントの場合は「¥(円マーク)」ですが、日本語フォント以外では「 \(半角バックスラッシュ)」です
- 検索オプションとして「正規表現(Regular Expression)を有効にする」のも忘れないようにしてください
テキストエディタで検索するとファイルにある行数分だけヒットするので、基本的には改行単体で検索することはないでしょう。他の文字列との組み合わせで使うことになると思います。
Microsoft Excelで「改行」を検索する方法
続いて 、Excel で改行を検索する方法です。これはテキストエディタとは少し異なります。
いつものように Ctrl + F(置換は H)で検索ボックスを開き、そこでテキストボックスにフォーカスがある状態で Ctrl + J を押して検索します。
テキストボックスには何も表示されませんが、実際には検索する文字列に"改行コード"が入っている状態になっています。その前か後にテキストを入れると、改行を含めた検索を行うことができます。
Ctrl + J を押しても何も表示されないので不安になりますが、実際に検索を実行してみたら問題なく検索されることが分かると思います。
「改行コード」の違いについて
それでは少し話題を変えて、この「改行」とは一体何なのかを少し理解しておきましょう。
拡張子が txt・css・js のような単純なテキストファイルのはずなのに、Windowsに標準搭載されているメモ帳で開いてみると「改行されていない」という経験はないでしょうか。
JavaScript(js)の場合は圧縮や難読化のために意図的にやっている可能性もありますが、そういう意図でない場合は「改行コード」の違いによるものです。あるアプリでは改行されていても、別のアプリでは改行されていない状況が生まれます。
この「改行コード」の種類と使われている主要なOSは以下のとおりです。
改行コード | 利用されているOS |
CR(Carriage Return) | Mac OS(バージョン9まで) |
LF(Line Feed) | UNIX, LinuX, Mac OSなど |
CR+LF | MS-DOS, Microsoft Windows |
Windows標準搭載のメモ帳は CR+LF しかサポートしていないため、それ以外の改行コード(大抵はLF)が使われている場合、改行のない文字列が並ぶことになってしまいます。これが「メモ帳で開くと改行されていない文字列で読めない」という事象の原因です。
こうなった場合、CR + LF にしか対応していないメモ帳では開けないので、サクラエディタや秀丸などのテキストエディタで開きましょう。これらのソフトは自動的に改行コードを判別してくれます。
また、テキストエディタで作成・編集したファイルについては、保存時に改行コードを指定(変更)することができます。ここで改行コードを LF にして保存すれば、メモ帳でも可読性のある形で開くことができるようになります。下の画像は秀丸のものです。
以上、「改行も検索できる」「改行には種類がある」というお話でした。活用の場は多くないと思いますが、いつか役に立つ日が来るかも知れません。ぜひ活用してください。