ダイエット

自分にとって理想的な体重や体脂肪率を知る方法

自分にとっての理想的な体重・体脂肪率

 

海やプールで見せるために体を絞りたい人、もう少し肉付きをよくして貧相な体を卒業したい人、薄着になる季節が近づくと色々と気になる部分が出てきますよね。

見た目よく腹筋を割りたい人は、最低でも2ヶ月は準備期間を設けてください。筋トレで腹筋だけしていてもシックスパックにはならず、お腹だけの部分痩せにいたっては科学的に絶対あり得ません。

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痩せるために筋トレを始めようと考えても「筋肉は脂肪よりも重い」という話もあり、脂肪を減らすために筋肉をつけて体重が増えてしまうことが気になる人もいるでしょう。

今回は、そんな自分の思い描く理想の体型を求める人たちに向けて、気になる自分の「理想体重・体脂肪率」「筋肉と脂肪の関係」について書いてみたいと思います。

理想の体重・体脂肪率

誰でも一度は自分の最適な体重について考えたことがあると思いますが、人によって下記のような前提条件が違います。

  • 身長
  • 性別
  • 脂肪と筋肉の構成
  • 体格
  • その他の要素

それを踏まえた結論から言うと、理想的な体重・体脂肪率と呼べる画一的な尺度は存在しません。これが今回の結論であり「答え」です。

人それぞれ前提が異なる身体について、自分で準備できるデータを集めて、それを使った四則計算だけで「これが理想です」と言えるような科学的な根拠がある指標はありません。この答えを前提に、今回は専門機関などに行かずに計ることができる「BMI」と「体脂肪率」から理想体重にアプローチしてみましょう。

「BMI(Body Mass Index)」は厚生労働省でも利用されている有名な指標ですね。BMIは身長と体重だけで簡単に計算でき、国際的に使われている標準指標です。

もう一つの「体脂肪率」は計測に色々と難はありますが、最近の体重計・体組成計でも数字が表示されるものです。ただし、器機や方式によって測定結果はバラつきがあり、自宅での計測は参考値程度だと思ってください。

体脂肪率(たいしぼうりつ)- eヘルスネット

それでは、まずは「BMI」から考えられる理想体重について見ていきましょう。

BMI(Body Mass Index)で見る理想体重

BMIの計算式は単純に「 体重(kg) / 身長(m)2なので自分でも算出できますが、ウェブ上で身長・体重を入れれば計算してくれるサイトを使えば良いでしょう。

BMIと適正体重 - 高精度計算サイト

下記は日本肥満学会の肥満度分類で、BMIが「18.5~24.9」は標準体重、「18.5未満」は低体重、「25.0以上」は肥満とされています(対象は成人です)。

日本肥満学会の肥満度分類

これはWHO(世界保健機関)に準ずるもので、世界基準ということですね。BMIを基準にした身長別の標準体重(BMI 18.5~24.9)は以下のとおりで、これを上回ると「肥満」、下回ると「低体重(痩せ気味・痩せ過ぎ)」です。

身長(cm)体重(kg)
14640-52
14842-54
15042-56
15244-56
15444-58
15646-60
15848-62
16048-62
16250-64
16450-66
16652-68
16854-70
17054-72
17256-72
17456-74
17658-76
17860-78
18060-80
18262-82
18464-84
18664-86

一方、BMIは必ずしも正確とは言えないもので、年齢・体格・筋量などの要素が全く考慮されていません。例えば、年配の人は若者に比べて体脂肪が多く、女性も一般的に男性よりも体脂肪が多いですね。また、アスリートは鍛えられた筋肉のために体重が重い傾向があります。

BMIはこのような個別の背景は全く考慮されません。筋骨隆々なボディビルダーやアメフトなどのプロスポーツ選手が「肥満」に分類されてしまう指標です。

ということで、BMIのみを見て理想体重とするのではなく、あくまでも理想体重と健康を考えるうえでの一つの指標として見るようにしてください(国際的な指標として生活習慣病との因果関係は証明されています)。

体脂肪・体脂肪率(Body Fat Percentage)

次に、「体脂肪・体脂肪率」から理想体重を確認していきましょう。

まずは「体脂肪率」自体についてですが、冒頭にも書いたとおり、そもそも正確に計測することが非常に難しいです。最近の体重計・体組成計で出る数値は器機によりバラつきがあるのが当たり前で、測定方法やタイミングによってもバラつきが出ます(体内の水分の関係で、体脂肪率は朝は高く夜は低く出ます)。使用する機器のグレード・価格のような単純な話でもありません。

体脂肪率を最も正確に計測できるとされる「Water Displacement法」のような方法もありますが、大掛かりな設備が必要なので非現実的でしょう。
How to Measure Body Fat With Hydrostatic Underwater Weighing(英語)

また、体脂肪率の測定には皮下脂肪も含まれるということで、厚生労働省は体脂肪・体脂肪率をメタボリックシンドロームの指標には使用していません。「ダイエットのモチベーションにでも使ってみては」という程度の扱いです。

体脂肪率と健康障害には明確な相関が認められませんが、これは体脂肪率が内臓脂肪だけでなく皮下脂肪を含む体脂肪の量を反映しているためです。(中略)一日のうち一定の時間帯に測定するのであれば、減量モチベーションを高める目安として用いてもよいでしょう。
体脂肪率(たいしぼうりつ)- eヘルスネット

一方で、体脂肪が健康状態とは相関がないとしても、非科学的な見地ながら、体脂肪率は「見た目」とは密接な関係があります。体を絞ったことのある人なら誰でも感じるでしょう。

体脂肪率の違いによる見た目の変化

脂肪は内臓脂肪から優先的に燃焼されるため、体脂肪を減らすことによって上半身のウエストラインが細くなっていきます。その次に皮下脂肪が減少していく流れになりますが、その段階ではすでに上の画像で見る腹筋が割れた(女性はウエストがくびれた)状態の体つきになっているでしょう。

国際的な基準や健康状態の把握に利用されるものではありませんが、「見た目」で分かりやすい大きな違いになって表れるのが体脂肪・体脂肪率です。自分の体脂肪率は正確に計測できないので「目安」にはなりますが、年代・性別で健康的とされている体脂肪率は下記のとおりです。

年代20代30代40代50代60代
女性16%–24%17%–25%19%–28%22%–31%22%–33%
男性7%–17%12%–21%14%–23%16%–24%17%–25%

脂肪は年配や女性のほうが蓄えやすいのが特徴ですが、それも考慮された体脂肪率の分布となっているのが分かると思います。

理想的な体重や体脂肪率とは(結論)

ここまでの内容でお分かりのとおり、単純な身長と体重だけで算出される「BMI」は万人に使えるわけではなく、「体脂肪(体脂肪率)」も研究機関レベルでないと正確に計測するのは難しい指標です。

BMIは健康診断・人間ドックの結果にも記載があり、肥満による健康被害(主に生活習慣病)との相関があるとされているので、その観点からは見ておいたほうが良いでしょう。

一方、体脂肪は時間(起床時がオススメ)などの条件を揃えて定点観測し、その「数値の増減」を見るのが有効な使い方です。ただし、この数値は参考程度にとらえてください。計測を夜にしたり、水を一杯飲んだだけでも電気伝導率が下がって体脂肪率は低く出ます。

これらの前提を踏まえて、重要なのは本当に体重や体脂肪率の「数字」でしょうか?

理想体重・体脂肪率は数値ではなく見た目です

冒頭の結論を繰り返しますが、前提が違う個人の身体に「画一的な尺度」は存在しません。そして、「数字」は同じでも筋肉・脂肪の構成で見た目は大きく変わります。ここでは体重ですね。

筋トレ前後で同じ体重の女性

上の女性は全て同じ体重125lbs(56kg)です。筋トレをすると脂肪を減らしても、筋肉の増加で体重が変わらないことはよくありますが、明らかに外見が変わっているのがよく分かりますね。

数字上は筋肉は脂肪に比べて15-20%ほど重いので体重への影響もありますが、筋肉と脂肪の違いは重さよりも、体積の違いによる「見た目」への影響が大きいのが特徴です。筋線維が凝縮された筋肉に比べて、脂肪は不揃いな脂肪滴という粒(滴, しずく)の集まりのため、同じ重さの場合に筋肉よりも体積が20-25%ほど大きくなります。

脂肪と筋肉の違い

8fit

これが、同じ体重でも脂肪が多いと太って見える理由です。他にも下記のサイトでは、同じ体重でトレーニング前後の比較写真があるので、これを見て自分が目指すべき身体を考えてみてください。

28 Before & After Photos That Prove Your Weight Is Meaningless - Bored Panda

これを踏まえて、なおも本当に追い求めるべきは「体重」でしょうか?

最後に

それでも、やはり「体重の数値は小さい方がいい」と思う人もいるでしょう。

健康状態との相関が認められているBMIが適正な範囲であれば、その範囲内で数字にこだわること自体は悪いことではありません。数値目標があったほうが、分かりやすく頑張れるのも事実です。ただし、「食事だけで痩せようとする」ことだけは避けましょう。脂肪だけが減ることは科学的にありえず、筋肉も同時に減らすことになり、結果として代謝の悪いリバウンドしやすい身体作りになってしまいます。

ウェイトトレーニング(筋トレ)をして減量期などで身体を絞ったことのある人にとって、単に脂肪を燃やして痩せることは「何が難しいんだろう」と思うくらい簡単な話です。

トレーニングで筋肥大を目指している人は「筋肉を落とさず(小さくせず)に脂肪を落とす」ことに苦労しています(そして、どれだけ工夫をしても減量期は筋肉が分解されて小さくなります)。

その点、筋肥大(筋肉を大きくすること)を目指さないのであれば、筋トレを行ないつつ筋量を維持しながら脂肪を燃焼させる(痩せたように見せる)ことができます。

ココがポイント

筋肉は過大な負荷をかけない限りは大きくなることはないので、身体が大きくなっていく(体重が増える)心配はありません。

例えば、腕立て伏せでも10回以上は筋肥大には無意味です。100回できたとしても100回できるだけの筋力に強化されるだけで、筋肉が物理的に10回分以上に大きくなる(体重も増える)ことはないと考えてください。

これは10回までは速筋(そっきん)と呼ばれる大きくなる筋肉が鍛えられ、それを超える負荷は遅筋(ちきん)と呼ばれる肥大せずに持続力を持つ筋肉が鍛えられます。

この「痩せる」という行為は科学的に簡単に説明できるので、ぜひ下記の記事も参考にして「健康的なダイエット」を実践してください。

スリムになるダイエット方法
油断しがちな痩せ型こそ要注意!細身のポッコリお腹を卒業する方法

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大事なのは「体重の数字」よりも「見た目のいい身体つき」です。数字に囚われ過ぎないようにしましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

参考サイト:

Muscle Weight vs. Fat Weight: Frequently Asked Questions - 8fit(英語)

How much should I weigh for my height and age? - Medical News Today(英語)

-ダイエット

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