筋トレ

ポイントは筋肥大と減量!腹筋の三段目をキレイに割ってシックスパックを作る方法

皮下脂肪を減らしてシックスパックを作りましょう

 

筋トレによる分かりやすい成果の一つとして、腹筋がキレイなシックスパックになっていることが挙げられますね。腹直筋がシックスパックになっている状態は、その人の努力が一番分かりやすく表れる箇所でしょう。もちろん、「見た目」だけの話なので、運動競技などのパフォーマンスとは別の話です。

ただ、腹筋上部のフォーパックまでは簡単に作ることができても、腹筋の三段目(おへその周辺)がなかなかキレイに割れないことに悩む人が多いようです。

シックスパック(Six Pack)は難しい

結論としては、残念ながら「それが当たり前」です。単純に腹筋を鍛えていれば、何の知識もなくても体脂肪次第で上部の腹筋は割れて見えるでしょう。しかし、下部はそう簡単にはいきません。

この記事ではトレーニング方法は載せていません。腹直筋の三段目まで割るのに必要なのは、必ずしも強度の強いトレーニングではないことが理由です。

ここが本気でボディーメイクできるかの分水嶺(分かれ道)だと思ってください。

腹筋の三段目をハッキリと割るのに必要なこと

まず、腹筋の三段目にあたる部分ですが、そもそもの話としておへそ回りからわき腹にかけては体の中でも皮下脂肪が蓄積されやすく、最後の最後まで残りやすい箇所です。いわゆる「ラブハンドル」と呼ばれる部位ですね。

腹筋は「腱画(けんかく)」という横の線で腹直筋が分けられていて、三段目にあたる下部は皮下脂肪が付きやすく腱画が埋まりやすい状態になっています。これは内臓を守るという身体の構造的に仕方のないことなので、この残念な事実を前提条件として正しい知識に基づいてシックスパックを作っていきましょう。

必要なことは単純に下記の2点ですが、それぞれの実現には注意点があります。

  1. 腹直筋の筋肥大(効率的な筋トレ)
  2. 体脂肪を減らす減量(カタボリズムに注意)

がむしゃらな脳筋の努力も素晴らしいですが、私たちは科学・医学の力を借りてスマートに進めていきましょう。注意したいのは、筋肥大の話よりも体脂肪を減らすための減量のほうで、減量時のカタボリズム(Catabolism, 筋肉の分解)に注意してください。筋量が減るということは基礎代謝が悪くなり、シックスパックを手に入れたあとのリバウンドにもつながります。

腹直筋の筋肥大(効率的な筋トレ)

これはシンプルに腹直筋のトレーニングで筋肥大を目指すというだけの話です。

腹筋の筋量が少なくても、皮下脂肪が少なければ「痩せ割れ」と呼ばれる腹筋が割れているような状態に見えます。ただ、この貧相な腹筋をゴールとして目指す人はいないでしょう。

力強いシックスパックを目指すのであれば、腱画(けんかく, 腹直筋の横の線)で分かれた腹直筋それぞれが隆起した形になるように、きちんと腹筋を鍛えないといけません。注意点としては、腹筋の三段目を意識して腹直筋下部を集中してトレーニングするよりも、腹横筋・腹斜筋も含めて腹筋全体を満遍なく鍛えましょう。

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腹直筋を縦に割っている「白線 (はくせん, Linea Alba)」と横に割っている「腱画(けんかく)」で凹んでいる部分と、盛り上がった腹直筋の高低差が大きいほどシックスパックが目立つようになります。いわゆる陰影による「カット」が生まれるわけですね。

よりキレイなシックスパックを作るためにも、腹直筋下部のみを過剰に鍛えることはオススメできません。鍛えるのは全体です。

体脂肪を減らす減量(カタボリズムに注意)

次はシックスパックにとって最重要な体脂肪を減らす減量についてです。

減量さえすればシックスパック風なお腹を作ることができるのは書いたとおりですが、筋トレによる腹筋全体の筋肥大と合わせれば、出来上がりの見栄えも大幅に良くなります。また、シックスパックを実現するのに必要な期間も短くなります。

概ね、体脂肪率12-13%で腹筋上部のフォーパックは作られ、11%台以下になるとシックスパックができ始めます。あくまでも目安ですが、ここらへんの数値を目標にしてください。

体脂肪率別の腹筋の見え方

ただし、「減量」は正しい知識がないと、非効率かつ中長期的にリバウンドしやすい身体作りになりかねません。短期間で成果を出したい人ほど、下記に気を付けて効率的な減量を心がけてください。

  • 消費カロリー>摂取カロリーになるような食事制限
  • 減量中もプロテインなどでタンパク質を十分に補給
  • 抗カタボリック効果のあるグルタミン・HMBの摂取

 

プロテインを含めたカロリーのコントロール

まずは基本的な「消費カロリー>摂取カロリー」です。これができなければ「減量」はできません。

また、減量時もトレーニングすることは必須として、ワークアウト後には吸収の早いホエイプロテインの補給を忘れずに行ってください(必須です)。プロテインの補給がない筋トレは筋肉を細くするトレーニングになりかねません(筋力は上がったとしても、細くて強い筋線維を作る目的外の作業になりかねません)。

このプロテイン1回あたりのカロリー(120kcal~160kcal)も含めて、「消費カロリー>摂取カロリー」を成立させる必要があります。

減量中の大敵はカタボリズム(Catabolism, 筋肉が分解されてエネルギーとして使われる状態。筋肉の異化)です。

筋肥大を目的としているのに、「筋トレしていても体重が減る」「プロテインを摂取していない」という人はカタボリックな状態になっている可能性があります。

プロのボディビルダーやフィジーカーでも、どれだけ気を付けても減量中のカタボリックな状態は避けられないので、私たちも可能な限り軽減する努力が必要になってきます。

減量中はアンチ・カタボリックを意識しましょう

ということで、減量中のアンチ・カタボリック(Anti-Catabolic)の方法です。カタボリックは筋肉の分解のことです。

まず、摂取カロリーを気にし過ぎて、減量期間中にプロテインでタンパク質の補給を怠るようなことがないようにしましょう。日中も筋肉のアナボリズム(合成)とカタボリズム(異化)が行われています。

アナボリズムとカタボリズム

特に、就寝中は栄養の補給ができないので、どうしてもカタボリックな状態が続く時間です。2-3時間で吸収されるホエイプロテインでは補えない時間でもあります。寝ている間のアナボリズム促進・抗カタボリズムのために、ゆっくりと体に吸収されるカゼインプロテインも摂取するようにしましょう。

 

カタボリズムとカゼインプロテインについては下記の記事を参考にしてください。3時間おきに起きてホエイを補給する必要はありません。

就寝前にカゼインプロテインを飲む
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きちんとトレーニングもすること前提ですが、このアナボリックとアンチ・カタボリックを両立しながら解決する方法もあります。特に、「夏までにシックスパックを作り上げたい」「早く効果を出したい」という人は、効果を高めるにタンパク質に加えて「グルタミン」「HMB(β-ヒドロキシβ-メチルブチレート)」の栄養補給を同時に行いましょう。

「グルタミン」は筋たんぱく合成(アナボリズム)を促進する効果があり、「HMB」は筋たんぱくの合成促進・筋タンパクの分解抑制(アンチ・カタボリズム)の効果があります。本格的なトレーニングをする人がルーティンとして摂取しているもので、これは「時間をお金で買う」と考えることができます(ドーピングの類ではありません)。

「グルタミン」も「HMB」もサプリメントとして売られていますが、どちらもサプリメント単体でホエイプロテインと同じくらいの値段です。ボディビルやフィジークに出場するような体を目指すわけではないので、これらはホエイプロテインと一緒に摂取する程度で十分です。ただ、グルタミンもHMBも元が高価なため、含有するプロテインもピュアなホエイプロテインよりも価格は高くなります。その意味で「時間をお金で買う」という話になりますね。

繰り返しになりますが、減量時はカタボリックな状態になるのは避けられないので、HMBのアンチ・カタボリック効果で少しでも筋肉の分解を防ぎ、グルタミンで筋肥大を促進させましょう。

既にシックスパックを形成するのに十分な筋量があり、減量によって皮下脂肪を減らすことに専念したい人はHMBの摂取を追加するだけでも良いでしょう。この場合も、ワークアウトとプロテインの摂取は忘れないようにしてください。

HMBになるロイシンも含む「BCAA(Branched Chain Amino Acid :分岐鎖アミノ酸)」も耳にしたことがある人もいると思いますが、シックスパックを目的とするのであれば必須ではありません。筋トレ以外にもスポーツ競技を行っている人は筋肉の持続力のために摂取しても良いと思いますが、何でも栄養を摂取すれば良いというものでもありません。「目的」と「手段」を見誤らないようにしましょう。

三段目の腹筋を割ってシックスパックを作る方法まとめ

最後に、ここまで書いてきたことのラップアップです。

考え方は非常にシンプルなので、これを「強い意志」で実行できるかがシックスパックを手に入れるためのポイントです。

  • 理想のシックスパックのために腹筋を鍛え続けましょう
  • プロテイン(可能なら加えてグルタミン)を忘れず摂りましょう
  • お腹の皮下脂肪を減らすための減量が必須です(部分痩せはありまえん)
  • 目安として体脂肪率10%台以下を目指しましょう
  • 減量中は抗カタボリック効果のあるHMBも摂取しましょう

 

さすがにシックスパックを目指す人で勘違いしている人はいないと思いますが、「お腹の皮下脂肪(や内臓脂肪)だけを落とす」というような部分痩せは科学的にありえません。減量で全身の脂肪が減りますが、部位によって「痩せやすさ」があるだけです(お腹の皮下脂肪は最後の最後まで残ります)。

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減量したことのない人が考える「部分痩せ」の幻想は捨てましょう。真っ先に燃焼する内臓脂肪が減ったことで「部分痩せ」と言っているかも知れませんが、その流れで皮下脂肪まで燃焼することはありえません。シックスパックも手に入らないということです。

筋肥大を狙う増量期(バルクアップ)を経て減量するのが時間はかかるものの一番確実ですが、短期間で筋肥大と減量を同時に行ないたい場合、トレーニング効果を最大化(筋力増強を最大化しつつ筋肉分解を最小化)するために「時間をお金で買う」ことを考えてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が理想のシックスパックを手に入れるお役に立てば幸いです。

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